墓を放棄する部屋

A room denying the grave

 

2019/02/02-03 KYOTO ART HOSTEL kumagusuku

 

 

人や生活に対して曖昧な関係しか持ちえない部屋。
根ざすもののない部屋。
観客はその曖昧な空間に漂泊し、人によって動かされ過ぎてゆく、 ”もの空間 ”を眺めることとなる。 人は箱の中にいる。生まれてから死ぬまで、その後も、人は自らに 見合う箱を探し、作り、充てがう。 陶芸作品「インディペンデントリビング」は動くことなく、 そこにある

 

 

 

出演者が実際にゲストハウスに泊まったという事実をもとにした回遊形式の作品。

宿泊する部屋を独自にデザインし直すことから生活を始める。

しかし、誰にとっても故郷たりえない箱、個人や生活との曖昧な関係性しか持てない部屋、ルーツのない部屋で行われるのはあくまで仮設の生活である。

観客は訪問者として、その曖昧な部屋と部屋を彷徨い、彼らが出て行った部屋を清掃員が漂白して空っぽにして、部屋が再び次の人を待つまでの時間を経験する。

そこで行われていた様々な仮設生活の風景からの展示パフォーマンス。

人が行き交うホテルの時間には休みがなかった。

各部屋に置かれた “インディペンデントリビング”は、生活痕跡の修行者としての箱である。

 

営みを見つめ、漂白の瞬間を永遠の休憩として切り取り、空間の消費への抵抗を象徴している人がそこにいた。

 

 

制作 | 瀬戸沙門 武内もも 野村眞人 

パフォーマンス | 菊池希実 城間典子 瀬戸沙門 狭間要一

 

主催 | 劇団速度

助成 京都府文化力チャレンジ補助事業